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ブラッドベリの3冊と、くるくるウィジェット [散読記]

半年ほど前のこと、大好きなブラッドベリの新作がたてつづけに刊行されました。
1冊は少年小説の名作『たんぽぽのお酒』の続編で、もう1冊は自伝的作品。
続編を読むならまず前作の再読から・・・と本棚を探していて思い出しました。
むかし読んだのは、姉から借りた本だったんですよねー。
ええい面倒だ、このさい自分用に買ってしまおう! というわけで、
清水の舞台から飛び降りる気持ちで(!)豪勢に3冊、まとめ買いをしたのでした。

ところが、思い入れのあるものに限って、なかなかブログに書けない。
ついついUPを後まわしにしているうちに、こんなに月日が・・・orz

そこへ今日届いたのが、Amazonからのお知らせメール。
お気に入りを3D回転させて表示する「くるくるウィジェット」が提供開始されたそうです。
これはちょうどいい! ってことで、ブラッドベリ作品をまとめて貼りつけてみましたv



右下の矢印をクリックすると、本がくるくる回ります。
た~のし~い♪と喜んでいるのはわたしだけ?(笑)

最低6冊以上とのことなので、とりあえず8冊をセレクト。
でもこれ、当たり前といっちゃあ当たり前の話ですけど、
表紙画像のない本は表示できないんですよね。
火星年代記』も『華氏四五一度』も『刺青の男』も表示できないし、
今回いちばん載せたかった新刊、『緑の影、白い鯨』もNG!
筑摩書房さん、なんとかしてもらえないでしょうかー。


◆◆◆◆


まとめ買いしたのは、この3冊です。『たんぽぽのお酒』を読むのは何十年かぶり。
12歳の夏が始まったばかりのある日、主人公のダグラス少年は突然、
自分が「生きている」ことを発見します。
ぼくはほんとうに生きているんだ! とダグラスはおもう。まえにはそれがぜんぜんわからなかったか、わかっていたとしても、ひとつとして憶えていやしない!(中略)
「トム……世界のだれもがね……自分が生きているのを知っているんだろうか?」
(『たんぽぽのお酒』晶文社刊、pp.22-23)

彼の目を通して見る世界は、なんと驚きと神秘に満ちていることか。
そして、いくつもの恐ろしい事件や悲しい出来事のなかで、
「自分もいつか死ななければならない」という真実に突き当たったとき、
夏の一日一日がどんなにかけがえのないものかを知るのです。

『さよなら僕の夏』の舞台は、『たんぽぽのお酒』から1年後の夏の終わり。
理不尽なルールを押しつける教育委員会に反乱を企てるダグラスは、
その構成メンバーである老人たちに戦いを挑みます。
親玉クォーターメイン老人とダグラスの対決、そして和解。
ある意味では少年より老人が主役のようにも見える作品です。
(わたしが年取ったということかしら・・・(^^;)
続編とは思わないほうがいいかもしれません。

そして、『緑の影、白い鯨』。


「緑の影」とはアイルランド、「白い鯨」とはメルヴィルの『白鯨』のことです。
ブラッドベリは33歳のとき、ジョン・ヒューストン監督の映画『白鯨』の脚本家に選ばれ、
監督が住むアイルランドに渡って脚本を執筆しました。
そのときの体験をもとに書かれたのが、この長編小説なのです。

酒と女と馬をこよなく愛し、いつも常識を逸脱した行動をとる監督に、
若きブラッドベリは振りまわされてばかり。
唯一の安らぎは、ハーバー・フィンのパブに集まる気のいいアイルランド人たちと
酒を飲み、おしゃべりをすることでした。

このアイルランド人というのが、じつに魅力的なのです。
雨はいつまでも降りやまず、失業者も多いこの国で、
人々が貧しくても豊かに持っているもの、それが言葉と歌。
彼らが語り継ぐエピソードは楽しく、時に感動的で、
成功だけが人生のすべてではない、と思わせてくれます。

ブラッドベリ・ファンにはおなじみの短編がまぎれ込んでいるのも楽しいところ。
たとえば29章は、『万華鏡』に収録された「国歌短距離ランナー」という短編で、
これを読むとアイルランド人がいかに音楽を愛する民族かがわかります。

訳者の川本三郎さんは、ブラッドベリを訳すのは『万華鏡』に続いて2冊目とのこと。
(「ちくま」の記事はこちら
でもこの『万華鏡』の訳が、わたしはほんとうに好きだったんです。(詳しくはこちら
今回の訳も、言葉の選び方、句読点のリズム、文章のとめ方、どれも心地よかった。
分厚い本ですけど、こなれた訳文のおかげですいすい読めました。
ブラッドベリになじみのない方にもおすすめの一冊です[本]

画像はないですが、下にAmazonのリンクを貼っておきますね~v

緑の影、白い鯨

緑の影、白い鯨

  • 作者: レイ・ブラッドベリ
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2007/10
  • メディア: 単行本


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コメント 31

柴犬陸

レイ・ブラッドベリというと、真っ先に『たんぽぽのお酒』を思い出します。
友人が彼のファンでした。
何度も読む機会はあったのに、これまで素通りしてしまいました。
だから、なんだか顔を上げられない気持ちでいたところ、川本三郎さんのお名前が。。
彼については、たまらない懐かしさがあります。
朝日新聞を辞めざるを得なかったことなど、もう誰も思い出さないでしょうね。
活躍されているようで、良かったです。
by 柴犬陸 (2008-04-09 18:17) 

柴犬陸

この記事を区切りに、というチヨロギさんの思いがあったのでしょうか?
300記事、おめでとうございます。
by 柴犬陸 (2008-04-09 19:29) 

チヨロギ

◇noricさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2008-04-09 23:29) 

チヨロギ

◇Kimballさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2008-04-09 23:32) 

チヨロギ

◇柴犬陸さん◇
本との出会いというのは人それぞれのタイミングがありますよね。
柴犬陸さんと『たんぽぽのお酒』の出会いについては、
きっとまだ機が熟していないのだと思います(^^)
もちろん、熟さないまま終わる本も多々あるわけですが(笑)
川本三郎さんの朝日の件、著書では読んだことがあります。
いまは映画評論や都市論の分野でとてもご活躍ですよね。
今日の朝日新聞でもチャールトン・ヘストンの追悼記事を書かれていました。
じつは仕事で一度だけご本人にお会いしたことがあるのですが、
物静かで温かい感じのする、すてきな方でした。
そしてウワサどおり、村上春樹に似ていました(笑)
by チヨロギ (2008-04-09 23:33) 

チヨロギ

◇柴犬陸さん◇
あっ、またまたお見通しですね~(^^;
せっかく300本目だから、大好きなものをと思っていました。
いつもありがとうございます♪
by チヨロギ (2008-04-09 23:35) 

びっけ

柴犬陸さんのコメントで気がつきました。
☆★ 300記事達成、おめでとうございます! ★☆

ブラッドベリ! 私の青春の構成要素だった大切な作家です。
『太陽の黄金の林檎』、『火星年代記』、大好きでした。

『たんぽぽのお酒』の続編があるとは知りませんでした。
私も『たんぽぽのお酒』を再読してから、読んでみませう。
青春の日々がよみがえりそうです。(^^;
by びっけ (2008-04-10 00:40) 

sara

300記事目で、三冊の本。3ずくしですね、流石はチヨロギさん。(^^)
レイ・ブラッドベリ、随分前ですが短編集を読んだ記憶があります。
チヨロギさんの記事を読んで、まだじっくり読みたくなりました~♪
くるくるウィジェット、楽しいですね!! 回るところが面白いですー☆
by sara (2008-04-10 01:12) 

梨花

300記事、おめでとうございますV
読み応え満点の質を保っての300は、素晴らしいですね!
これからも楽しみにしています!
ブラッドベリは子供のころに火星年代記を読んだような気がします(気がするって^^;)
くるくるウィジェットに好きなタイトルばかりを詰め込むと、何よりも自分が楽しいですよね!
それはそうと、サイドバーにチープトリックのリンクがあるのに気づきました!
来日するのですね!
最近の作品はトンと縁遠くなってますが、高校生の頃コピーバンドをやってました(笑)

by 梨花 (2008-04-10 20:09) 

たかち

300だ!!!!
おめでとーございます♪
「火星年代記」のタイトルに惹かれますね~~♪
SFかな?読んでみたいな!

by たかち (2008-04-10 21:55) 

Yuseum

くるくるウィジェット、Yuseumも早速(^^)v
サイドバーにつけたもんだから、ますます重くなる我がブログです(^◇^;)
by Yuseum (2008-04-10 22:12) 

チヨロギ

◇びっけさん◇
ありがとうございます! カメのような歩みですが、
なんとか300までたどり着きました~(〃∇〃) ☆
 >私の青春の構成要素だった大切な作家です
おぉ! 私もまさにそのとおりです☆
ということは、びっけさんと私の何%かは同じ要素でできています??
再読した『たんぽぽのお酒』には改めて感動してしまいました(T^T)
『さよなら僕の夏』は、いろんな意味でブラッドベリの年齢を感じさせる作品です。
しかし50年後に続編を出すなんて、すごいことですよね~ (@_@)
by チヨロギ (2008-04-11 00:27) 

チヨロギ

◇saraさん◇
いやいや、3冊のほうは偶然なんですよ~!
いまsaraさんにご指摘いただくまで気づきませんでした(^^;
ブラッドベリはなんといっても短編が秀逸ですv
いちばんおすすめの『万華鏡』は残念ながら絶版なのですが、
ハヤカワや創元SF文庫にたくさん揃っていますので、
もし気が向かれましたらぜひ☆
くるくるウィジェット、立体的に回るのが楽しいですよね (*´艸`)
by チヨロギ (2008-04-11 00:28) 

チヨロギ

◇tookさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2008-04-11 00:28) 

チヨロギ

◇thalerさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2008-04-11 00:29) 

チヨロギ

◇梨花さん◇
過分なお言葉、どうもありがとうございます☆
そんなにおだてると、木に登ってブヒブヒ鳴いちゃいますよ?
梨花さんが読んだのはきっとブラッドベリでしょう! 私もそんな気がします(笑)
ところで、コピーバンドなさってたんですか!!
カッコいいわぁ~~~~♪
今年はあの伝説のライブからちょうど30年ぶりに、武道館でライブがあるのです。
私は伝説の翌年(^^;)に武道館ライブを観に行っているのですが、
今年はうっかりしていてチケット取れませんでした (T_T)
それで、サイドバーに貼って心の慰めにしております(笑)
by チヨロギ (2008-04-11 00:30) 

チヨロギ

◇たかちさん◇
ありがとうございます~♪ 3年以上かかってしまいました(^^;
『火星年代記』はSFですが、哀しい余韻の残る名作です。
もし機会がありましたら、ぜひ!
by チヨロギ (2008-04-11 00:31) 

チヨロギ

◇Yuseumさん◇
さっそくサイドバーに貼ったのですね♪
私も最初は縦型のをサイドバーにつけようと思ったのですが、
あまりに重そうだったので・・・(笑)
Yuseumさんのトコのを見て、よく考えようと思います ゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ
by チヨロギ (2008-04-11 00:31) 

miyuco

ブラッドベリは何度も読もうとしたのですが
どうしても読み通せなくて…^^;
私は1970年代に少女マンガを熱愛していたのですが
当時SFを書いていた作家さんがブラッドベリのファンだと知って
自分も読まなければと挑戦したのでした。
今なら読めるかしら…
「くるくるウィジェット」おもしろそうですね。
…川本三郎さん、たしかに村上春樹に似ている!
(いまさら気づきました^^;)

by miyuco (2008-04-11 17:50) 

春分

くるくるが面白かったです。
ブラッドベリは、だいぶ読みました。そしてだいぶ忘れてしまった。
本棚の「たんぽぽのお酒」を読めば何か思い出すかもしれませんが。
買われた他の2冊は存じませんでした。記憶しておこうと思いました。
by 春分 (2008-04-11 17:56) 

sara

ブラッドベリについて、ちょっと思い出しました。(^-^) 確か・・・
私の好きな、T.REXのマーク・ボランが影響を受けた作家さん、
という事で、学生の頃に短編集を読んでみたのでした(遠い目。
今読んだら、もっと興味深く読めそうな気がします。(^^)

そうそう、チープ・トリックが久々の来日をするようですよね。
うーん、同じく、武道館行きたい!です。( ..)φメモメモ
by sara (2008-04-12 00:31) 

チヨロギ

◇yutakamiさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2008-04-12 12:12) 

チヨロギ

◇miyucoさん◇
私もそのころ、少女マンガ愛読者だったんですよ~♪
といってもお小遣いがないので(笑)、ほぼ『週マ』限定だったのですが。
萩尾望都さんが描くブラッドベリの大ファンでもありました。
『ウは宇宙船のウ』、miyucoさんもご存じではないでしょうか?
彼の作品というとSFや幻想・怪奇小説が圧倒的に多いですが、
『たんぽぽのお酒』は少し趣の異なる作品です。
ひさびさに再読して、感傷的な気分にどっぷり浸りました☆
もし機会がありましたら、ぜひ。
川本さんと村上春樹、似てますよね? まさか親戚ではないと思いますけど(笑)
by チヨロギ (2008-04-12 12:13) 

チヨロギ

◇春分さん◇
くるくる回していただけましたでしょうか~(^^♪
私もここ何年かはブラッドベリの新作を全然読んでいませんでした。
数年前、マイケル・ムーアの『華氏911』に怒っているというニュースを読んで、
まだ元気だったんだ!(失礼)と驚いた次第です ^^;
今回の2冊では、『緑の影』のほうが私はおもしろかったです。
by チヨロギ (2008-04-12 12:14) 

チヨロギ

◇saraさん◇
さすがROCK少女のsaraさんですね!
 >T.REXのマーク・ボランが影響を受けた作家さん
そうなんですか? いやー、全然知りませんでした。
誰かのファンになると、その人が好きな作品にも興味が湧いてきますよね。
そういうものを通して内面の世界にまで近づけるような気がして・・・。
彼はブラッドベリのどんな作品が好きだったのでしょう? 気になります。

チープ・トリックはスタンド席なら残っているんですが、
やっぱりアリーナで見たいんですよね~ (-_-;ウーン
もし当日、仕事が早く片づいたら会場に行ってみようかなぁ。
by チヨロギ (2008-04-12 12:18) 

Kimball

いまをさる、ん十年前に、ある新聞社主催の大掛かりな
クイズがあってそのときの問題のひとつが
ブラッドベリーの「華氏●●●度」でした。

ふっふ。
当時はGoogleはもちろん「パソコン」(死語か)もない
時代で、とうとうわからずじまいだったことを
思い出しました。 \(^o^)/
by Kimball (2008-04-13 14:12) 

春分

『華氏911』に怒っているというニュースは面白かったですね。
by 春分 (2008-04-13 18:52) 

チヨロギ

◇Kimballさん◇
そのクイズ、私に答えさせてほしかったですー!
といっても残りの問題は全滅だったりして (; ̄ー ̄A
そうそう、いま考えるとネットで検索できないのは不便ですね。
むかし「アメリカ横断ウルトラクイズ」の最初の○×問題で、
参加者が家族や友人に答えを調べてもらうために
必死で公衆電話をかけていたのを思い出しました (^^;
by チヨロギ (2008-04-14 01:04) 

チヨロギ

◇春分さん◇
とりあえず、怒るほど元気があるというのはうれしかったですw
by チヨロギ (2008-04-14 01:08) 

チヨロギ

◇柴壱さん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2008-04-16 00:27) 

チヨロギ

◇shikayuさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2008-04-29 02:21) 

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